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センサーデータ売買プラットフォーム「HOTARU」

「HOTARU」とは

総務省の平成25年度「先進的通信アプリケーション開発推進事業」の公募に対して、当社は「センサーデータ売買プラットフォームの開発」を提案し採択されました。私たちはこのプロジェクトをHOTARUと名付けました。

提案の背景

近年インターネットの普及により数多くの機材がネットワークにつながるようになってきています。クラウドとビッグデータ技術の進展は膨大な量のデータを扱うことを可能にし、オープンデータに見られるデータの活用に向けての動きも活発です。オープンデータはフリー或いはオープンの動きですが これとは異なる視点で「売買」のプラットフォームがあれば また違った種類の機材やセンサーがネットワークに接続され、新たなデータが集められるのではないかと考えました。こうした「売買」の基盤は各種サービス共通で成り立つはずで、そうした基盤が提供されていれば新たなソリューションやサービスを生み出しやすくなるはずです。当社はこうした基盤の構築可能性を具体的に検討する提案を行いました。今回の提案では公募の前提であるNWGN(※1)を利用することとし、当該テストベッドで動作しているPIAX(※2)をベースにすることにしました。

概念図

HOTARUの概念図です。PIAXをベースとしたNWGNにプラットフォームを提供することで、センサーを接続する動機付け並びにネットワークの活用を促します。センサーデータ購入フレームワーク、センサーデータ売却フレームワーク、センサーデータ売買フレームワークを機能的に結びつけることが可能です。

NWGNにプラットフォームを提供。センサーを接続する動機付け並びにネットワークの活用を促す

垂直から水平へ

HOTARUが実現するサービスのイメージ図です。安全なやり取りをする基盤を水平的に提供することで、これまでの垂直統合型のシステムより容易に新サービスを展開できる環境形成を目指しています。

新たなサービスを生み出しやすくするための、安全なやり取りをする基盤を提供する

※1 NWGNとは
NWGN(New Generation Network)とは現行のIPネットワークの次の世代を見越した新しい設計思想・技術による新世代ネットワークです。こうした研究は世界各国で進められており、日本では総務省所管の独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が中心となって産学連携体制により、2020年頃の実用化を目指して研究開発が進められています。テストベッド(JGN-X)は日本各地を結ぶ形で構築されており、産学官の研究機関に公開されています。
※2 PIAXとは
PIAXとは、P2P構造化オーバーレイネットワークとエージェント機構を組み込んだオープンソースのフレームワークです。既にNWGNのテストベッド上で動作しています。構造化オーバーレイ技術により物理的なネットワークから独立して規則的な論理ネットワークを構成することが可能となります。PIAXの各ノードは任意の属性を宣言でき、当該属性をキーにノードを呼び出すことがネットワークレベルで実現しています。HOTARUではこの構造化オーバーレイを利用しています。

HOTARUが目指すこと

  • センサーを始めとする広範囲のデータのやり取りに「売買」のプラットフォームを提供します。
  • 「売買」プラットフォームを水平的に展開することにより、これまでの垂直統合型のシステムより容易に新サービスを展開できる環境を形成します。
  • データの流通を活発化し、社会的に有用な価値を生み出すことを目指します。

従来型のシステムとHOTARUが実現するシステムの比較図です。従来型の環境下ではユーザも相手もWebサーバを介したやり取りしか出来ませんでした。HOTARUを提供することで相手からデータを直接取得することや、同報呼び出しが可能になります。

HOTARUの特徴

安全・確実な通信路の提供
認証・認可さらには課金するのに必要な計量機能を伴った通信路を提供します。
場所を特定したデータ
位置情報を指定して相手を呼び出せます。現状でもサーバを介して位置と相手を結びつけることは可能ですが、HOTARUではネットワークレベルでこれを実現します。
リアルタイム性
リアルタイムで相手を呼び出すことができます。
柔軟で効率的な属性制御
新たな属性を定義して呼び出しの条件とすることができます。「場所」はこの能力の典型例です。
論理的な同報性の提供
同報通知が可能です。

センサーデータ売買のニーズ

保険での活用
健康保険組合における被保険者の各種情報や自動車保険会社における走行データ等のやりとり。保険関連は対象に関する情報で保険を最適化でき、参加者にインセンティブを設定できます。

ヘルスケア
パーソナルヘルスケアへの応用。安全性と個人のメリットを提示できればニーズはあるものと考えられます。

見守り
育児、介護両面で見守りの需要はあると思われます。

その他、医療、農業、位置情報等データの流通と活用する余地は非常に広いと考えています。一方で安全性・各種規制・課金方法など解決すべき課題も多くビジネス化に向けてはまだまだ検討が必要です。

HOTARUの現状と今後

HOTARUにとって今年度はフィージビリティスタディの期間です。現在、プラットフォームの現実性や市場性について検討・調査を行っています。プラットフォームの現実性は実装に動作するプロトタイプを作成しながら検証を進めています。市場性については市場調査を行いつつ、様々な方の意見をヒアリングさせて頂いております。

来年度はHOTARUはサービスのためのプラットフォームですので、実際の事業で使われることで洗練化されていくものと考えております。

HOTARUの実用化には まだまだ多くの課題があります。私たちはそれらを一つ一つ解決しながら実現にむけて進めて参りたいと思っております。

2014年3月13日
※本ページに記載されている情報は公開時におけるものであり、現在は変更されている可能性があります。予めご了承下さい。

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