森 洵平Junpei Mori
AIや機械学習に関する研究開発をしています。扱うデータは、画像やセンサーデータ、文書やテキストの自然言語など、多岐にわたります。
たとえば、自然言語処理の開発例では、AIを応用して公開論文を解析し、カテゴリ分析や文書内のブロック分類を行って、いわゆる知識データベースの構築や効率的な文献検索を実現するプロジェクトがありましたね。
また、製造メーカーの研究所様と行った、製品素材に関する物理シミュレーションをAIで計算する実験プロジェクトも印象に残っています。
新たな製品素材をデザインするためには、素材の種類や物理的な性質、素材同士の組み合わせなどの物理モデルを計算して、緻密なシミュレーションを行わなければなりません。組み合わせ一つひとつの計算には大きな労力と時間が必要になります。
そこで、AIを使って様々な組み合わせの特性を即座にコンピュータで予想し、条件を満たす可能性のある組み合わせを絞り込んでから詳細を検証すれば、シミュレーションのスピードを一気に加速することができます。
さすがにAIの精度は人間に及びませんが、それでも大量の組み合わせに対して高速かつ自動で計算できるので、シミュレーションの幅を大きく広げることが可能になりました。
私自身にはこのときに扱った素材の物理的な性質に関する知識はなく、AIで解析した結果の妥当性については正直不安でしたが、お客様から期待以上の精度が出ていると評価していただいたときは、安心したと同時に胸が熱くなったのを覚えています。
私は学生のとき、脳脈を測定する機器の冷却効率を解析するため、物理モデルの構築やシミュレーションを研究していました。当時は英語も含め公開論文の原文を読むことも多く、自分で調べて考える力が身につきました。
今の仕事も、同じようなプロセス、そして理系の素養が重要になっているんです。
機械学習の技術も、数学等の基礎理論の上に成り立っています。学生時代に理系の専攻で自然と培ってきた研究手法を活かして、掘り下げた調査を行い、ベースにある理論や仕組みを理解した上で技術を使いこなす。これはISPの仕事全般に共通する特徴でもあり、とても面白みを感じています。
もう一つ、社会やお客様の課題に対して、プロの技術者として貢献できる喜びがありますね。単に最新の技術や面白い技術を使うだけでなく、どの技術をどう使えば課題を解決できるか、その提案も技術者として重要な裁量になります。
自分の知識やアイデアを反映しながら解決策を模索し、既存の解がない課題に対して試行錯誤していく。技術者集団であるISPだからこそ可能なことでもあり、一筋縄ではいかない過程を経てお客様にも満足していただける結果や成果が得られると、研究開発の仕事をやっていて良かったと感じます。
私が就活していたときに特に重視していたポイントは、プログラミングを含め、企画や提案からリリースまで全て自社内で開発できる技術があることと、独立系の中小企業で自分の意思で仕事ができる環境でした。当時の選択は、現在も間違っていなかったと思っています。
企画はするが実際のモノづくりは他社やグループ会社に委託する、あるいは逆に上流工程が経験できないといった会社でなく、ISPでは技術者として開発の全てを自分の裁量で進めています。
最終的に一番の決め手になったのは、会社セミナーで良い点をアピールするだけでなく、リーマンショック直後、一時的に経営が厳しくなったときの話もフランクにしていて、正直な会社だと感じたことでした。あわせて、しっかりした長期計画や技術者を大事にする経営ビジョンを聞くことができ、自分もこの会社を一緒に発展させていきたいという強い手応えを覚えました。
ISPは、自分の力を発揮したい技術分野に、じっくり取り組むことができる会社だと思います。決して競争ということではなく、若手も早くから意見を出したり重要な仕事を担当することもできますし、実力に応じたチャレンジや、やりたいことを実行できる環境があります。
就活での会社選びでは、周りの仲間や先輩、就活媒体の情報も溢れ、迷うことも多いと思います。一般的な人気や知名度によるイメージだけでなく、「本当の自分」に合った会社、自分のやりたいことにマッチする会社に入ることが一番だと思います。
選考でも自分をアピールすることは大事ですが、過度に飾ること無く、正直な自分の姿を出せる会社に出逢えることを願っています。